あかいろのしずく


そこでふと感じました。自分の周りに流れていた重い空気が取り払われたみたいに、なんだか視界が明るくなった気がしたのです。

窓の外には薄暗い群青が塗られ、雨音は止んでいました。



「どうでしたか? カウンセリングは」

「もう二度としません。これ以上個人情報を吐くわけにもいかないので」

「ちぇ。面白くないのー」



面白くなくて結構です。




帰りの準備をして教室から出ると、僕は時間を確認しました。

なかなか遅い時間です。六時を越えているし、もう十一月なので外は真っ暗。今日はミナトとは一緒に帰らないと言っていたし、かくなる上は。




「なあ、純」




教室の鍵を閉めた後、送って行こうか、と僕は提案をしようとしました。
話しかけるだけでもかなり勇気を出した方でした。


純はというと、先ほどのルーズリーフにまだ何か書いていました。