あかいろのしずく


「まあいいでしょう。でも、眼鏡よりコンタクトの方が顔がよく見えますよ」

「そうですかね」

「はい。私は好きですよ」

「......。そうですか」



また今度、コンタクトにしてこようと思います。

そんなやりとりが続いて、カウンセリングの時間があと十分を切ったところで、純は本題に入ります。





「辛いことがあったんですよね。どんなことか、教えてくれませんか」




ゆっくりとした優しい口調でした。
それでいて真剣な目をしているのです。今までの僕は、いつかこんな機会が来るなんて想像もしなかったでしょう。


自分の大切な人に、自分の悩みを包み隠さず話す時を。