あかいろのしずく


「え、じゃあ。猫ですかね」

「理由は?」

「縛られるのが嫌いなんです。基本自由にやっている身なので」

「そうですか。自由っていいですよね」



自分の言ったことを振り返って、ミナトと純の関係を思い出しました。

地雷を踏んでしまったんじゃないかと一瞬思ったけど、純は変わらずに穏やかな顔をしていました。



質問内容はどんどん変わっていきます。



「夏祭りの時のように眼鏡を外さないのはどうしてですか?」

「ナンパが怖いからです」



「自惚れちゃって」と、純はくすくすとおかしそうに笑いました。

でも本当です。正直声をかけられるなんて思いませんでしたし、あれは本当に驚いたのです。



それに、ミナトにもあの時、顔を見られてしまったから。