アレックスからのGOが出てオレは一刻も早く先制攻撃を始めなければならないわけだが、スキル把握してないんじゃそれどころじゃない!インデックスさん!!
『ツバサ……汝はちと落ち着きが欠乏しておるのではないか?』
落ち着き!!無いのは分かるけど”欠乏する”類のものだったのか落ち着きって?!
てか、この状況で落ち着けるやつどこにいるんだ。連れてこい。
じゃない!スキル教えて。とにかく遠距離で、できたらターゲットに弱化効果与えるものだとベスト!!オレはとりあえず弓を構えるだけ構えて、脳内でインデックスにすがりよる。
『ソリッドアーチャーの固有スキル”燕舞=えんぶ=”によって全スキルの攻撃範囲が150%になっておる。
その上で、現在の位置から三匹に届くスキルは三つ』
ふむ、ジョブ毎に固有スキルも付いてるのか、この世界ってゲームとしてやったらかなり楽しそうだな。まあ今そんな余裕ないんだけども。
『1つは「フラッシュ・ショット」光属性を付加した魔法の矢を放つ必中のスキルである。確率で「目眩し」状態にできる。
1つは「ポイズン・ショット」真っすぐに放つ矢じりに地属性を付与し、高確率で「毒」状態にする。
最後の1つは「タイタン・アロー」属性のないスキルだが渾身力を込めて放つ攻撃力重視のスキルである。高確率でターゲットを退かすのに加え低確率で麻痺状態にする』
「サンキューだぜインデックスさん!」
選択肢は三つ。この作戦ではオレとミネルヴァお姉様が先陣を切るということは、イニシアチブをこちらが取りたいということだ。だとしたら遅効性の毒矢は当てはまらない。大切なのはこの一撃でダメージを与えることではなく、前衛の2人が到達して攻撃をするまでの隙を生み出すことにある。となれば残る2つの選択肢において、この場での最適解は--
「やっぱ、こっちっしょ!?」
オレは世界樹の弓をしっかりと構えて、右手に力を込める。
「うわ、なんだこの身体の奥底から湧き上がるものは」 と、思わず口からこぼれた。これが、魔法なのか。全身から金色の光が溢れ出して、それはオレの意識をしっかりと反映して瞬く間に右手へと収束していく。収束していく内に光はより強くなり、光を束ねるようにして矢の形へと変形した。
オレは必中の効果を信じて、狙いを定めるよりも一瞬でも早くこの矢を射ることが出来るようにツルを引いた。そして、視界にしっかりとティケルヘリア達を捉えながら放つ!
「くらえ「フラッシュ・ショット」!!」
光の矢はオレが意識の中でターゲットと定めたティケルヘリアに向かって一直線に飛んでいく。弓矢なんて生まれてこの方触ったことも無いのに、身体が自然とその形をなぞっていた。
カミーラとノブレスに傅いていたティケルヘリアは気づいていないのか頭を垂れたままで静止している。フラッシュ・ショットが眼前に迫り、アレックスとミーアが近づいてきているのにカーミラとノブレスは動く気配も、ティケルヘリアに警告する様子もない。こめかみにヒットする手前でようやく攻撃されていたことに気が付いたティケルヘリアだったが、もう遅い!
ただでさえ必中の効果があるフラッシュ・ショット、それにあれだけ接近してから気づいたところで回避する手段はないはず、よし成功だ。
ティケルヘリア達が居た場所から、強烈な閃光が弾けたと同時に、その地点を軸に周囲を包囲する様に暗黒の円が生み出されていく。黒円はバチバチと紫電を奔らせながら、何かを生み出そうとしていた。
「さぁ、くらいなさい「ダーク・アックス」!」
その暗黒空間からおぞましい雰囲気を放つ無数の斧が召喚され、ミネルヴァお姉様の声で一斉に射出された。斧を形取っていたそれは射出された瞬間に暗黒物質へと変化して闇の刃が閃光を切り裂きながら踊り狂った。
「はは、すっげぇ」
目の前で実際に起こる魔術に目が奪われた。ついさっきまで感じていた恐怖はもうなかった。ただこの目の前で起こる事象に心までも奪われ、不謹慎にも楽しさを感じていたのだ。
『ツバサ……汝はちと落ち着きが欠乏しておるのではないか?』
落ち着き!!無いのは分かるけど”欠乏する”類のものだったのか落ち着きって?!
てか、この状況で落ち着けるやつどこにいるんだ。連れてこい。
じゃない!スキル教えて。とにかく遠距離で、できたらターゲットに弱化効果与えるものだとベスト!!オレはとりあえず弓を構えるだけ構えて、脳内でインデックスにすがりよる。
『ソリッドアーチャーの固有スキル”燕舞=えんぶ=”によって全スキルの攻撃範囲が150%になっておる。
その上で、現在の位置から三匹に届くスキルは三つ』
ふむ、ジョブ毎に固有スキルも付いてるのか、この世界ってゲームとしてやったらかなり楽しそうだな。まあ今そんな余裕ないんだけども。
『1つは「フラッシュ・ショット」光属性を付加した魔法の矢を放つ必中のスキルである。確率で「目眩し」状態にできる。
1つは「ポイズン・ショット」真っすぐに放つ矢じりに地属性を付与し、高確率で「毒」状態にする。
最後の1つは「タイタン・アロー」属性のないスキルだが渾身力を込めて放つ攻撃力重視のスキルである。高確率でターゲットを退かすのに加え低確率で麻痺状態にする』
「サンキューだぜインデックスさん!」
選択肢は三つ。この作戦ではオレとミネルヴァお姉様が先陣を切るということは、イニシアチブをこちらが取りたいということだ。だとしたら遅効性の毒矢は当てはまらない。大切なのはこの一撃でダメージを与えることではなく、前衛の2人が到達して攻撃をするまでの隙を生み出すことにある。となれば残る2つの選択肢において、この場での最適解は--
「やっぱ、こっちっしょ!?」
オレは世界樹の弓をしっかりと構えて、右手に力を込める。
「うわ、なんだこの身体の奥底から湧き上がるものは」 と、思わず口からこぼれた。これが、魔法なのか。全身から金色の光が溢れ出して、それはオレの意識をしっかりと反映して瞬く間に右手へと収束していく。収束していく内に光はより強くなり、光を束ねるようにして矢の形へと変形した。
オレは必中の効果を信じて、狙いを定めるよりも一瞬でも早くこの矢を射ることが出来るようにツルを引いた。そして、視界にしっかりとティケルヘリア達を捉えながら放つ!
「くらえ「フラッシュ・ショット」!!」
光の矢はオレが意識の中でターゲットと定めたティケルヘリアに向かって一直線に飛んでいく。弓矢なんて生まれてこの方触ったことも無いのに、身体が自然とその形をなぞっていた。
カミーラとノブレスに傅いていたティケルヘリアは気づいていないのか頭を垂れたままで静止している。フラッシュ・ショットが眼前に迫り、アレックスとミーアが近づいてきているのにカーミラとノブレスは動く気配も、ティケルヘリアに警告する様子もない。こめかみにヒットする手前でようやく攻撃されていたことに気が付いたティケルヘリアだったが、もう遅い!
ただでさえ必中の効果があるフラッシュ・ショット、それにあれだけ接近してから気づいたところで回避する手段はないはず、よし成功だ。
ティケルヘリア達が居た場所から、強烈な閃光が弾けたと同時に、その地点を軸に周囲を包囲する様に暗黒の円が生み出されていく。黒円はバチバチと紫電を奔らせながら、何かを生み出そうとしていた。
「さぁ、くらいなさい「ダーク・アックス」!」
その暗黒空間からおぞましい雰囲気を放つ無数の斧が召喚され、ミネルヴァお姉様の声で一斉に射出された。斧を形取っていたそれは射出された瞬間に暗黒物質へと変化して闇の刃が閃光を切り裂きながら踊り狂った。
「はは、すっげぇ」
目の前で実際に起こる魔術に目が奪われた。ついさっきまで感じていた恐怖はもうなかった。ただこの目の前で起こる事象に心までも奪われ、不謹慎にも楽しさを感じていたのだ。



