修道服に身を包んだイスカは、何かを詠唱していた。イスカの身体は神々しい光に包まれていて、門の中で受けた瘴気によるダメージの回復を図っているのだろう。その表情は依然として苦しそうだった。
「・・・・・・ねえアレックス、アイツらが勝手に喋ってる内にしかけましょうよ。大人しく相手のタイミングに合わせてあげる必要はないわ」
焦りからか、自信の表れからかそう重戦士に話しかけるのは、先頭を歩いていた女性だった。下着姿のような短パンと、さらしの様に巻いた白い布に豊満な胸を預けている。背は女性にしては高く、隣にいるアレックスと比べてもわずかに小さいくらいでかなり引き締まった身体をしている。腹筋が見事にシックスパックに割れていて、思わず見とれそうになる。外見から察するにファイター系のジョブだろうか。
「・・・・・・確かにな。これから魔人王との戦いを控えているというのにこんなヤツらにくれてやる時間などない。こちらから仕掛けようミーア」
「ふっ、いつでもアタシは良いわよ勇者様」
勇者?アレックスが勇者なのか。またも感じた違和感であったがオレは一先ずそれは置いておくことにした。
アレックスは金髪青眼に整った顔立ち。豪華な装飾がされたナイトアーマーに身を包み、人の丈はあろう大剣を持っていた。
女戦士の名前も判明したな、ミーアというのか。よく見るとミーアの耳は付け根は髪の毛で隠れているが、頭の上についていてフサフサで尖っている・・・・・・これはもしや亜人ってやつか!?ワーウルフとかで有名な獣人というやつだろうか、なかなか凝った世界観じゃないか。
「さて残る二人は・・・・・・っと」
そんな二人の後ろにいる、妖艶な雰囲気のお姉さまはじっと魔人達の様子を伺っている。額に汗がにじんでいた。恐らくもう臨戦態勢に入っているのだろう。紫色のローブに身を包み、足を隠す長さの布にはスリットが入っていて悩めかしくスラっと伸びた足を露出させていた。ちらりと除く太ももにはルーン文字の様な刺青が入っている。樹木を切り取ったような両手杖の先にはどうやって固定しているのかは分からないが、薄明かりを受けて煌めくルビーの様に透明な宝石が浮かんでいる。
「あれ?たしか6人いたよな、もう一人の姿が、見えない?」
確かにさっき扉の前でメンバーを見た時にはオレの他に5人が集まっていたはず。うろ覚えだけれど、顔を隠した小柄な人物がいたはず。
「インデックス。パーティーメンバーは6人揃っているのか?」
『うむ、確かにこの空間に6人いる』
インデックスがそういうのだから恐らくは確かなことなのだろう。あの時に感じた存在感を薄めた雰囲気からして、アサシンとかだったりするのかな。だとしたら、もうすでにこの空間全体に満ちた闇に紛れ込んでいるのかもしれない。
重戦士のアレックスを主体に、ヒーラー、ファイター、アーチャーにウィザード、アサシンか。少し攻撃に特化したパーティー構成の様に感じるけれど、確かにバランスが取れているじゃないか。だとすればオレの想定は良い方向に外れているのかもしれない。各々があれだけの化け物を前にしてしっかりと臨戦態勢になっている。心強いな。
その時のオレはすっかり忘れていたんだ。この世界に転生された時のあの瞬間のことを。
「・・・・・・ねえアレックス、アイツらが勝手に喋ってる内にしかけましょうよ。大人しく相手のタイミングに合わせてあげる必要はないわ」
焦りからか、自信の表れからかそう重戦士に話しかけるのは、先頭を歩いていた女性だった。下着姿のような短パンと、さらしの様に巻いた白い布に豊満な胸を預けている。背は女性にしては高く、隣にいるアレックスと比べてもわずかに小さいくらいでかなり引き締まった身体をしている。腹筋が見事にシックスパックに割れていて、思わず見とれそうになる。外見から察するにファイター系のジョブだろうか。
「・・・・・・確かにな。これから魔人王との戦いを控えているというのにこんなヤツらにくれてやる時間などない。こちらから仕掛けようミーア」
「ふっ、いつでもアタシは良いわよ勇者様」
勇者?アレックスが勇者なのか。またも感じた違和感であったがオレは一先ずそれは置いておくことにした。
アレックスは金髪青眼に整った顔立ち。豪華な装飾がされたナイトアーマーに身を包み、人の丈はあろう大剣を持っていた。
女戦士の名前も判明したな、ミーアというのか。よく見るとミーアの耳は付け根は髪の毛で隠れているが、頭の上についていてフサフサで尖っている・・・・・・これはもしや亜人ってやつか!?ワーウルフとかで有名な獣人というやつだろうか、なかなか凝った世界観じゃないか。
「さて残る二人は・・・・・・っと」
そんな二人の後ろにいる、妖艶な雰囲気のお姉さまはじっと魔人達の様子を伺っている。額に汗がにじんでいた。恐らくもう臨戦態勢に入っているのだろう。紫色のローブに身を包み、足を隠す長さの布にはスリットが入っていて悩めかしくスラっと伸びた足を露出させていた。ちらりと除く太ももにはルーン文字の様な刺青が入っている。樹木を切り取ったような両手杖の先にはどうやって固定しているのかは分からないが、薄明かりを受けて煌めくルビーの様に透明な宝石が浮かんでいる。
「あれ?たしか6人いたよな、もう一人の姿が、見えない?」
確かにさっき扉の前でメンバーを見た時にはオレの他に5人が集まっていたはず。うろ覚えだけれど、顔を隠した小柄な人物がいたはず。
「インデックス。パーティーメンバーは6人揃っているのか?」
『うむ、確かにこの空間に6人いる』
インデックスがそういうのだから恐らくは確かなことなのだろう。あの時に感じた存在感を薄めた雰囲気からして、アサシンとかだったりするのかな。だとしたら、もうすでにこの空間全体に満ちた闇に紛れ込んでいるのかもしれない。
重戦士のアレックスを主体に、ヒーラー、ファイター、アーチャーにウィザード、アサシンか。少し攻撃に特化したパーティー構成の様に感じるけれど、確かにバランスが取れているじゃないか。だとすればオレの想定は良い方向に外れているのかもしれない。各々があれだけの化け物を前にしてしっかりと臨戦態勢になっている。心強いな。
その時のオレはすっかり忘れていたんだ。この世界に転生された時のあの瞬間のことを。



