舞衣はお礼を言って家に入った
佐知から連絡が入っていた、舞衣は電話する

「あれから、どうなった?つき合うの?」

「高校の話を少しして家まで送ってくれたよ」

「一目惚れってことは好きとか言われた?」

「とりあえず、連絡先交換した、同じ高校受けるんだって」

「えー、運命じゃん」

「そんな、わかんないよ、落ちたらどうすんのよ」

「落ちたら私と一般で受けるんでしょ?」

「受験に絶対はないよ、向こうはスッキリしたかもしれないけど私のほうが気になって手がつかないかも」

「あれだけ、舞衣のこと探してたのに?」

「本気ならもっとすぐわかると思うよ」

「恥ずかしくてって言ってたじゃん」

「うーん、でもまだ少し話しただけだし、話していくとやっぱ違うかもってこともあると思う」

「舞衣は慎重だからなー、まあとりあえず、新学期ねー」

「うん、バイバイ」


ふう、園田くんか……家までもよくしゃべってたなー、何話したかあまり覚えてないかも、反応薄くて舞衣の事どう思ったかな?
慣れると話せるけどまた慣れたら慣れたで、言っちゃうんだよね


二月初め鶴原の推薦入試が終わった夕方、誠斗から連絡が入る

‘お疲れ様、家に帰った?’

‘帰ってるよ’

‘少し会える?’

‘いいよ、さくら公園でいい?一時間後くらいでいいかなー’

‘わかった’



一時間後……

「ごめんね、お待たせ」

舞衣は走って来た

「そんなに走らなくても帰らないから大丈夫だよ」

「でも絶対連絡した後すぐ出たと思って……ハァハァ今日寒いから待たせても……」

「優しいね、今日教室も寒かったよね(笑)」

「うん、面接待ってる間も緊張した、私、発表とかも苦手だから上手く話せなかったかも」

「俺も何喋ったか覚えてないよ(笑)」

「はい、これあげる」

「何?えっこれって」

「チョコレート、一週間早いけどバレンタイン、どうぞ」

「一時間後って言ってたのってわざわざ買いにいってくれてた?」

「もう、言わないでよ、そんなたいしたものじゃないから」

「うれしい、ありがとう」
(超かわいいんだけど……)

「あの……さ、受験も終わったし、もしよかったら付き合って欲しいんだけど……」


舞衣は黙ってしまった

「?あの……」

「あたし……ごめんね帰る」

走って帰ってしまった

「武田さん……」