「はい、席についてー」


三時間目、国語の授業で智也のクラスに行く。
けれど教室はいつにも増して騒がしかった。


その理由はただ一つ。


「先生聞いてくださいよ!ついに智也に彼女ができたんです!」

「……え?」


それはあまりにも衝撃的だった。


「違うクラスの女の子なんすけど、それがすっげぇ美女で」


「智也、お前は女に恵まれすぎだぞ!」


そうからかわれる智也だったけれど、彼はただ「うるせぇ」と言うだけで否定はしない。

恐らく本当なのだろう。


けれど、どうして?
どうして智也は、彼女なんか───


いや、何動揺してんの。
私に智也の恋愛事情なんて関係ない。