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更に6万円を課金したあたしのゲームは、チヒロを追い越していた。


花火大会に海水浴と言った夏休みのイベントをどんどんこなして行く。


そしてゲーム上では2学期が始まっていた。


ゲームの中の高校では試験期間中で、ユウナと恭介は図書館で一緒に勉強をする関係に進展していた。


「やっぱり、課金したら全然違うねぇ」


あたしは一人呟いて、自室のベッドに横になった。


また誰かに追い越されそうになったら、課金をすればいいだけだ。


若い体を使えばいくらでもお金は手に入る。


あたしにとってそれは、とても簡単なことだった。


画面上の恭介は今日もあたしに笑顔を見せてくれる。


それだけで十分幸せな気分になれたのだった。