バイトをしていたとしても、高校生が月10万稼ごうとすると大変だ。


放課後も休日も、ほとんどの時間をバイトで費やすことになるだろう。


でも、チヒロにそんな様子は見られなかった。


「お金は……どうやって?」


聞いてもいいのかどうか判断できず、あたしはモゴモゴと口の中だけでそう聞いた。


「そんなの、そこらへんに歩いてるオッサンに出してもらうに決まってんじゃん」


小声になり、だけど当然のようにそう言ったチヒロ。


あたしは昨日の援助交際を思い出して、ゴクリと唾を飲み込んだ。


「援助交際するってこと?」


「そうだよ? 普通のバイトなんてやってらんないでしょ」


そう言って元気よく笑うチヒロ。


香菜美がこちらを気にしているのが目の端に入った。


「そっか……そうだよね」


「うん。優奈も一緒にする?」