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「すごく良かったから、また連絡してね」


ホテルから出た後、名前の知らないおじさんはそう言って駅方面へと歩いて行った。


あたしは茫然と立ち尽くしてその後ろ姿を見送る。


自分がなにをしてしまったのか徐々に理解していき、同時に軽い吐き気が込み上げて来た。


しかし、それを喉の奥に押し込めてあたしは財布の中身を確認した。


さっきおじさんにもらったばかりの1万円札が6枚も入っている。


やっぱり、現役女子高生であるあたしの価値は高かった。


たった1時間でここまでのお金になるのだから。


あたしはニヤリと笑い、スマホを取り出す。


1時間もゲームができなかったから、すぐに課金をしてストーリーを進めなきゃいけない。


焦るような気持と共にゲームを起動させ、何の躊躇もなく課金ボタンを押したのだった……。