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あたしは1人で公園に来ていた。


京太と別れたあの公園だ。


今日は子供たちが沢山いて、騒がしい。


あたしはここで京太に振られた。


冗談でも、嘘でもなく、あたしは京太と別れたんだ……!


そう理解した瞬間、頬に涙が流れていた。


悲しみが胸を貫く前に、涙腺が壊れていた。


次々に流れて来る涙を止めることができない。


心のどこかではとっくの前に理解していたのだろう、その悲しみはようやく涙という形で現れた。


「お嬢さん、大丈夫?」


泣きじゃくるあたしに声をかけてくれたのは、子供を遊ばせていた主婦の人だった。


ふくよかな手に白いハンカチが握られている。


「ごめんなさい……ありがとうございます」