「チヒロの両親は正義感が強くてね、2人とも警察官だよ」


「そうだったんだ?」


初耳で、あたしは目を見開いた。


「うん。だからかなぁ、チヒロも曲がった事が嫌いな性格だよね」


そう言ってほほ笑む真衣ちゃん。


そんなチヒロが達治と仲良くなったらどうなるか。


そう考えると、また少しだけあのゲームに近づいた気がした。


「チヒロの両親はゲームとかする人なのかな?」


香菜美がそう聞くと、真衣ちゃんは首を傾げた。


「どうかなぁ? 忙しそうに働いてるって話なら聞いたことがあるけど、ゲームの話は聞いたことがないかも」


「そうなんだ……」


チヒロの両親とゲームは結びつかないようだ。


その時、授業開始5分前のチャイムが鳴った。


「話てくれてありがとう。あの、チヒロには内緒にしててね? 勝手に聞きだしたってわかると、怒るかもしれないから」


「そう? わかった、黙ってるね」


真衣ちゃんはそう言い、自分の席へと戻って行ったのだった。