壮絶なイジメを受けていた達治が高校へ通っていないのは、納得できることだった。


「私服か……」


雅美はそう呟いて、行きかう人に視線を投げている。


今の時間帯は私服姿の人の方が見つけやすいかもしれない。


「じゃあ、2人ずつに分かれて探そうか。香菜美ちゃん、手伝ってくれる?」


千秋の言葉に、香菜美は頷いたのだった。