そこまでのイジメを受けていたなら、小学校卒業と同時に自殺していてもおかしくないかもしれない。


中学に上がってもあたしたちと同じ学校へ通わなければならないというのは、達治からしたら大きなストレスだっただろう。


「でも、達治が死んだっていう噂は聞かないよね」


あたしがそう言うと「自殺なんて、おおっぴらには言えないからでしょ」と、千秋は言った。


「達治って人の呪いでできたゲームなのかも」


香菜美の言葉にあたしは目を見開いた。


「呪いなんて、そんなことあるわけないでしょ?」


「でも、実際にあり得ない方法で傷つけられてるよね?」


そう言われると、なにも言い返せない。


目に見えない針で刺され、目に見えないピアッサーで穴を開けられる。


その傷だけが、確実に存在していた。