「え?」


「だって、攻略すれば恭介のモデルに会えるんだよ? 会えばきっと、なにかわかると思うんだよね」


モデルに会えるのは一番最初に攻略した1人だけ。


だからもう遅いかもしれない。


それでも、あたしに残された道はそれしかなかった。


「そっか……」


香菜美は複雑な表情を浮かべている。


どんなことをしてもこのゲームは消えないのだから、頑張るしかないのだ。


ちょうどそのタイミングでゲームが起動した。


無表情な恭介がこちらを見ている。


あたしはゴクリと唾を飲み込んで命令を待った。


「俺のために、便器を舐めてきてよ」


ニコリとほほ笑んで、恭介はそう言ったのだった。