「あの、大丈夫でしたでしょうか?」


呆然としているあたしに向けて、女性店員が不安そうな顔になった。


悪いことをしてしまったかもしれないと、勘違いをしているようだ。


「大丈夫です! ありがとうございます!」


これであたしは恭介から解放されたのだ。


もう怯える必要はないし、明日から命令されることもない!


そう思うと、嬉しさで涙があふれ出した。


慌てる女性店員に何度も礼を言い、あたしは携帯電話ショップを後にしたのだった。