「このキャラの声。よく聞けばどこかで聞いたことがあるかもしれない」


「本当に!?」


香菜美が驚いたようにそう聞いて来た。


「うん。でも、誰の声だったのか思い出せないの」


恭介みたいなイケメンなら、きっと忘れることはないだろう。


それでも覚えていないということは、この声だけに覚えがあるということなんだと思う。


「でも、そこからまた思い出すことがあるかもしれないよ?」


「そうだね」


あたしは頷き、ほほ笑んだ。


でも……。


あたしがすべてを思い出す頃、このゲームはどうなっているんだろう……。