「冗談でしょ? だって、スマホのバッテリーは抜いてるんだよね?」


「うん。だけど関係ないんだよ。電源を落としてもバッテリーを抜いても、ゲームは勝手に始まる」


チヒロが言っていた通り、このゲームはプレイヤーに付きまとっているのだ。


「そんな……」


「ジュースを買いにいくのが遅かったから、ピアッサーで穴をあけられたの」


「それは……恭介がゲームの中でピアッサーを持っていたってこと?」


「うん」


あたしは真剣な表情で頷いた。


これはもう、偶然なんかじゃない。


このゲームが関係していることで間違いなさそうだった。


「まだ信じられないけど、でも、それならチヒロにも同じ事が起こってるってことになるよね?」


香菜美にそう言われて、チヒロにも同じゲームがダウンロードされていることを思い出した。


「やっぱり、チヒロがなにか知ってそうだね」


あたしはそう呟いたのだった。