「なにがおかしいの!?」


突然のことで、あたしは一歩チヒロから離れてそう聞いた。


「あはは! あのゲームは消せないよ?」


「消せないって、そんなのおかしいでしょ?」


「別におかしくなんかないよ。あのゲームはプレイヤーに付きまとうゲームなんだから」


チヒロは当然のようにそう言った。


「付きまとうゲーム……?」


「そうだよ。ゲームのタイトル⦅イケメンの言うとおり♪⦆その名前の通りに、キャラの言うことをきくのがメインになってるから」


「なにそれ。ただの恋愛ゲームじゃなかったの?」


「違うよ。モデルに会えるゲームなんだから、もっと複雑に決まってんじゃん」


「そんなの聞いてない!」


あたしは声を荒げてそう言った。


あたしはただの恋愛ゲームだと思ってプレイしていたんだ。