「本当になにも知らない。こんなゲーム、今初めて見た」


真剣な表情でそう言うカズマ。


「本当に?」


「あぁ、嘘はついてない。そんな嘘ついて何の得になる?」


そう言われると、そうかもしれない。


なにかを企んでいるのはチヒロであってカズマじゃないのだから、嘘をつく理由がなかった。


「……わかった」


あたしは肩を落として図書室を出たのだった。