命令恋愛

「あ、ごめん……」


叩くようして振り払ってしまったため、香菜美の手の甲は赤くなっている。


「ううん、あたしは大丈夫。優奈は大丈夫?」


そう聞かれて、あたしはぼんやりと突っ立ったまま左右に首を振った。


ダメだ。


今日は精神的にちょっとおかしい。


このまま学校にいたら香菜美を傷つけてしまうかもしれない。


「ごめん香菜美、今日は早退するね」


あたしはそう言い、鞄を手に取ったのだった。