命令恋愛

その時、教室の後方から女子生徒のクスクスという笑い声が聞こえてきた。


ハッとして振り返る。


しかしそこには誰もおらず、ロッカーが並んでいるだけだ。


「それでね、その写真に写ってたのはね……」


また聞こえた!


声がした方へ視線を移すが、やはりそこには誰の姿もない。


次第に、背中に冷や汗が流れて行くのを感じた。


さっきから、聞こえないハズの声が聞こえて来る。


「優奈? どうしたの?」


その声に思わず悲鳴を上げそうになったとき、香菜美が立っていることに気が付いた。


「香菜美……」


ホッと胸をなで下ろしつつ、警戒して周囲を見る。