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翌日は嫌味なほどに天気が良かった。


降り注ぐ日差しは暖かくて、朝早くから子供たちの笑い声が聞こえて来る。


そんな爽やかな光景ですら、今のあたしには疎ましく感じられた。


誰もかれもが幸せそうに見えて思わず奥歯を噛みしめて歩く。


あたしだってつい昨日までは幸せだったはずだ。


勇気君と恋人同士になれて、これからというタイミングだった。


チヒロがそのタイミングを見計らっていたようにしか見えなかった。


まるで、あたしが幸せになるのが気に入らないという感じだ。


学校へ到着すると、すでに香菜美が教室にいた。


昨日の事を気にして早く登校してきてくれたようだ。


あたしは香菜美と2人で廊下に出て、話をしながらチヒロが来るのを待つ事にした。