夕方になりひと段落したので仕事を終え店を出た。
辺りはオレンジ色の夕焼けに染まっている。
もしかしたらレオンが居るかもしれないと辺りを見回したけれど、彼の姿はどこにも見当たらなかった。
ほっとしたのと同時に、少しだけがっかりしている自分に気付き溜息が漏れる。
鞄を肩にかけ直しながら、早歩きで町で一番賑わっている商店街に向かい、リラ用に新鮮な果物とミルクを買った。
リラが健康な頃からだけれど、なるべく早く帰ってあげたい気持ちがあるせいか、帰りはいつも早歩きになる。
今日も脇目も振らずに歩いていると、私以上の速度で近づいて来る足音が聞こえて来た。
何だろうと確認するよりも先に声をかけられた。
「イリス」
ビクリとしながら振り返る。
「レオン様……」
彼はどこかで着替えをしたようで騎士服から、村人がよく身に着けているような簡素な服装に変わっていた。
「やはり今日中に話し合いたくて洋裁店に行ったがすれ違ったようだな」
では店に私が居ないと気付き、探していたの?
嬉しいと感じてしまう私は、未練の塊だ。その気持ちをレオンに気付かれたくないと思うあまり、素っ気ない声が出てしまった。
「でも話しはさっき終わったはずでは?」
「勝手に終わらすな。この先の宿に部屋を取っている。来てくれないか?」
レオンは強引ともいえる態度で私の腕を掴もうとする。私は慌てて後ずさりぶんぶんと首を振った。
辺りはオレンジ色の夕焼けに染まっている。
もしかしたらレオンが居るかもしれないと辺りを見回したけれど、彼の姿はどこにも見当たらなかった。
ほっとしたのと同時に、少しだけがっかりしている自分に気付き溜息が漏れる。
鞄を肩にかけ直しながら、早歩きで町で一番賑わっている商店街に向かい、リラ用に新鮮な果物とミルクを買った。
リラが健康な頃からだけれど、なるべく早く帰ってあげたい気持ちがあるせいか、帰りはいつも早歩きになる。
今日も脇目も振らずに歩いていると、私以上の速度で近づいて来る足音が聞こえて来た。
何だろうと確認するよりも先に声をかけられた。
「イリス」
ビクリとしながら振り返る。
「レオン様……」
彼はどこかで着替えをしたようで騎士服から、村人がよく身に着けているような簡素な服装に変わっていた。
「やはり今日中に話し合いたくて洋裁店に行ったがすれ違ったようだな」
では店に私が居ないと気付き、探していたの?
嬉しいと感じてしまう私は、未練の塊だ。その気持ちをレオンに気付かれたくないと思うあまり、素っ気ない声が出てしまった。
「でも話しはさっき終わったはずでは?」
「勝手に終わらすな。この先の宿に部屋を取っている。来てくれないか?」
レオンは強引ともいえる態度で私の腕を掴もうとする。私は慌てて後ずさりぶんぶんと首を振った。


