「私は幸せだったよ。でも、レオンと一緒に居られたらもっと幸せだった」

逃げ出さずに、辛いことも嬉しいこともレオンと分け合えばよかった。

「ごめんなさい、私が弱かったから」

「イリスは弱くなんかない。リラを素直で明るい、いい子に育てられた。強くて優しい俺の愛する人だよ」

レオンは右手で私の顎を掬い優しさの溢れる眼差しを向けて来た。

それからお互いの顔が近づき、唇が触れ合う。

「んっ……」

ひんやりとしていた唇は、口づけを交わす内に熱くなりやがてそれは身体中に廻って行った。

「レオン……ん……」

見つめ合ってはキスをして、何度もそれを繰り返す。

気が付けば私はレオンに抱き上げられ、彼の寝室に運ばれていた。

広いベッドにそっと横たえられ、彼が上に覆いかぶさって来る。

「レオン……」

「いつだって、イリスを愛している」

それからまた長いキスが始まる。

レオンの手が私の手を絡めるように握る。

両手とも彼に捕らわれ、息も出来ないような口づけを与えられる。

それは段々と深くなっていき、息苦しさに僅かに口を開くと、熱い舌が唇を割って押し入って来た。

口内を蹂躙されるのを私は喜んで受け入れる。

彼の熱、逞しい腕の強さ、身体の重み。全てがたまらなく愛おしく感じる。

性急に着ていた服を取り払われ、それからは夢中のときを過ごした。

「レオン……レオン大好き」

私の理性を溶かす彼の身体をうわ言の様に呟きながら抱きしめ、また抱きしめられる。

それはいつまでも続き、私はやがて意識を手放した。