久雅side


外から聞こえるのは雨の音。窓には雨粒がつき、外の景色はしっかり見えなかった。もちろん星空も...。
「あのさ...。俺が遠野を好きになった理由...聞きたい?」
決死の覚悟で言ったこと。今ならもしかしたら言えるのではないか。その思いから言っていた。しかし返答はすぐに来なかった。代わりに聞こえてきたのは
『...すー...すー...』
静かな寝息だった。
「...寝た?」
返答は来ない。これは確実に寝たのだろう。
「...おやすみ」
そして俺は通話終了のボタンを押す。
目を閉じると思い浮かんでくるのは部屋で一人蹲っている俺の姿。
「もう泣かないか...」
部屋の電気を消し、眠りについた。