私は九条都(クジョウミヤコ)。九条家は江戸時代より、政治に係わってきた由緒正しきお家だそうだ。そんな家で生まれ育った私はある日を境に人ならざるもの、つまりあやかしが見えるようになったのだ。この明治の世ではあやかしが視える人のことを視人(シト)と呼び、見つかり次第すぐに牢へ入れられ、一家共々罪に問われた。つまり、私は一家の面汚しなのである。