だんだんと時が経つにつれてバーの椅子が埋まっていく。
見渡すと殆どが女性客と常連客で埋めつくされていた。
「ねぇ枢、彼女と別れたって本当?」
来て早々、喜びに満ちた顔をして常連客の1人が声をあげる。
「……情報早過ぎだろ……。」
「本当なの?」
「……まぁ。
かなさんどこで聞いてきたんですか?」
「……うんとねー……噂?」
「誰に聞いたの?」
「マスターさん。」
かなが枢にバツが悪そうな笑顔を見せる。
「……あの人かぁ。
いつも俺の情報を流出するのは……。」
呆れた笑顔を浮かべ、ため息をひとつ吐いた。