「全てはゴーストなのよ」とナジカ。

「どういうこと?」とあたし。
あたしはマリオンだ。惑星ソルムノヴィエのバーだ。

「酔ってるときには記憶を吐き出したくなるの。
で、それがゴーストよ」とナジカ。

ナジカは昔ヒーローのような活躍をしていたらしい。

思い出。
メモリー。ゴースト。

たぶんみんなゴーストを背負っている。

サラバンがいった。

「何か食べないか?」と。

ナジカはふっと微笑んだ。

「不思議ね。
こういうときでもお腹が空くのよ」とナジカ。

「ピザでも食べよう」とあたし。
「いいな。
それでだな、この店のピザはだな」とサラバンがいった。

「はあ。
ゴースト」とあたし。

あたしにゴーストはあるのだろうか?
ふと思い返す。
いや、誰にでもゴーストはあるのだ。