「俺が受けた案件がふたつあるんだ。まず、新商品菓子のロゴとパッケージがひとつ。もうひとつは、〝ダンジョン〟っていうレストランのホームページで──」
「ダンジョン!?」
話の途中で、驚愕した調子の声が割り込んできた。
誰が発したのかと周りを見回せば、向かいに座る鬼頭さんが眼鏡の奥の瞳をこれでもかというくらい開き、テーブルに身を乗り出している。意外や意外、声の主は彼女だったらしい。
いつも無表情で、言い方は悪いがアンドロイドのような彼女が、こんなに感情を露わにするのを目の当たりにしたのは初めて。おそらく他の皆もほとんど見たことがないのだろう、唖然としている。
「本当ですか社長!?」
「あ、ああ……本当です」
鬼頭さんの勢いに、さすがの尚くんも瞠目している。なぜか敬語になっているし。
彼女は頬を紅潮させ、お祈りするように顎の下で手を組み、興奮気味に語り始める。
「ダンジョンとは、昔懐かしいテレビゲームの世界をイメージしたレストランです。暗い店内にはモンスターの人形がそこかしこに置いてあり、特典でコインをゲットできたりして、気分はまるで土管に入ったかのよう! 私、こう見えてゲームが大好きで、このレストランにも足繁く通っておりまして……」
「ダンジョン!?」
話の途中で、驚愕した調子の声が割り込んできた。
誰が発したのかと周りを見回せば、向かいに座る鬼頭さんが眼鏡の奥の瞳をこれでもかというくらい開き、テーブルに身を乗り出している。意外や意外、声の主は彼女だったらしい。
いつも無表情で、言い方は悪いがアンドロイドのような彼女が、こんなに感情を露わにするのを目の当たりにしたのは初めて。おそらく他の皆もほとんど見たことがないのだろう、唖然としている。
「本当ですか社長!?」
「あ、ああ……本当です」
鬼頭さんの勢いに、さすがの尚くんも瞠目している。なぜか敬語になっているし。
彼女は頬を紅潮させ、お祈りするように顎の下で手を組み、興奮気味に語り始める。
「ダンジョンとは、昔懐かしいテレビゲームの世界をイメージしたレストランです。暗い店内にはモンスターの人形がそこかしこに置いてあり、特典でコインをゲットできたりして、気分はまるで土管に入ったかのよう! 私、こう見えてゲームが大好きで、このレストランにも足繁く通っておりまして……」



