ゆっくりと休んで、だいぶ回復した翌々日。私は朝からバイトに入っていて、夏季休暇中では最後の一日シフトだ。

学校が始まったら、しばらくは土日にちょこっと入るスタイルに戻る。この一ヵ月ほどでだいぶ馴染んできたから、皆に合える頻度が少なくなるのは少し寂しい。

朝のミーティングを聞きながら、絶対ここに就職しよう、と改めて心に決めていた。

そして、話をする久礼社長に、密かに熱い視線を送る。私たちはれっきとした恋人で、婚約者なのだと思うと、なんだかドキドキしてしまう。

当然、彼のほうはそんなことは微塵も感じさせないけれど。


「ダンジョンのホームページ、だいぶ評判がいいようだぞ。この調子で、シラカバのサイトも頼む」

「頑張ります」


尚くんに声を投げかけられ、鬼頭さんがきりりとした表情にわずかな笑みを湛えて、軽く頭を下げた。

私も関わったホームページは先日無事リリースされたのだが、さっそく新しい案件に取りかかっている。

再び鬼頭さんと冴木さんがタッグを組むそうなので、いろいろな意味で要注目だ。