私にもっと恋愛経験があれば、こんなふうにならずに切り抜けられたのだろうか。
どうしようもないたらればを心の中で呟いていると、しばし黙考していた瑠莉が口を開く。
『どういう選択をしようと杏華の自由だけど、他人のことばっかり考えて自分が幸せになれないようじゃダメだからね。久礼さんが好きっていう、自分の気持ちも大事にしなよ』
真剣なアドバイスが胸に沁み込んでくる。瑠莉だって恋愛経験はほぼないのに、なんだか達観しているからすごい。
『自分の気持ちも大事に』か……。確かに、それはちょっとないがしろにしていたかも。
新しいことに気づかされ、心に小さな明かりが灯る。いつも親身になって考えてくれる彼女に感謝して、「ありがとね、瑠莉」と口元を緩めて伝えた。
電話を切ったときには、いつの間にか会社の近くまで来ていた。無意識のうちに、いつもの出勤路を歩いていたらしい。
なんとなくネージュ・バリエがある五階を見上げ、私はキョトンとした。
「あれ? 誰かいるのかな」
土曜である今日は会社自体は休みなのに、窓から明かりが漏れている。休日に仕事をしに来る人もいるみたいだが、こんな時間にいるのだろうか。
どうしようもないたらればを心の中で呟いていると、しばし黙考していた瑠莉が口を開く。
『どういう選択をしようと杏華の自由だけど、他人のことばっかり考えて自分が幸せになれないようじゃダメだからね。久礼さんが好きっていう、自分の気持ちも大事にしなよ』
真剣なアドバイスが胸に沁み込んでくる。瑠莉だって恋愛経験はほぼないのに、なんだか達観しているからすごい。
『自分の気持ちも大事に』か……。確かに、それはちょっとないがしろにしていたかも。
新しいことに気づかされ、心に小さな明かりが灯る。いつも親身になって考えてくれる彼女に感謝して、「ありがとね、瑠莉」と口元を緩めて伝えた。
電話を切ったときには、いつの間にか会社の近くまで来ていた。無意識のうちに、いつもの出勤路を歩いていたらしい。
なんとなくネージュ・バリエがある五階を見上げ、私はキョトンとした。
「あれ? 誰かいるのかな」
土曜である今日は会社自体は休みなのに、窓から明かりが漏れている。休日に仕事をしに来る人もいるみたいだが、こんな時間にいるのだろうか。



