尚くんはしばしなにかを考えるような間を置いて、「そうか……」と呟き、目を伏せる。
その横顔が、思いのほか切なげに見えてドキリとしたが、彼はすぐにこちらに笑みを向けた。
「わかった。花火は今日だけじゃないし、また今度見よう」
どこまでも優しい彼に、さらに罪悪感が募る。胸がキリキリと痛むのを感じながら、「……ごめんね」と、もう一度呟いた。
横浜駅で待ち合わせることにしたと適当なことを言うと、尚くんはそこまで車で送ってくれた。
嘘ばかりついて逃げる自分に嫌気が差すが、純粋に楽しめないのに一緒にいるのも失礼だろう。
これで本当によかったのかはわからない。ただ、去っていく車を見送りながら、心に隙間風が吹くような寂しさと、少しの安堵も感じたのは確かだった。
花火はあと十五分ほどで始まる。道行く人の中には浴衣を着ている女性もちらほらいて、楽しそうな姿を羨ましく思った。
私は行くあてもなくのろのろと歩き、バッグからスマホを取り出す。嘘を本当にできるかもしれないと思い、瑠莉に電話してみることにした。
しばらくして出た彼女に、一緒に花火を見ないかと誘うと、申し訳なさそうな声が聞こえてくる。
その横顔が、思いのほか切なげに見えてドキリとしたが、彼はすぐにこちらに笑みを向けた。
「わかった。花火は今日だけじゃないし、また今度見よう」
どこまでも優しい彼に、さらに罪悪感が募る。胸がキリキリと痛むのを感じながら、「……ごめんね」と、もう一度呟いた。
横浜駅で待ち合わせることにしたと適当なことを言うと、尚くんはそこまで車で送ってくれた。
嘘ばかりついて逃げる自分に嫌気が差すが、純粋に楽しめないのに一緒にいるのも失礼だろう。
これで本当によかったのかはわからない。ただ、去っていく車を見送りながら、心に隙間風が吹くような寂しさと、少しの安堵も感じたのは確かだった。
花火はあと十五分ほどで始まる。道行く人の中には浴衣を着ている女性もちらほらいて、楽しそうな姿を羨ましく思った。
私は行くあてもなくのろのろと歩き、バッグからスマホを取り出す。嘘を本当にできるかもしれないと思い、瑠莉に電話してみることにした。
しばらくして出た彼女に、一緒に花火を見ないかと誘うと、申し訳なさそうな声が聞こえてくる。



