それに、なにより……こんな気持ちのまま彼とふたりで花火を見ても、苦しいだけだ。
きっと今は、一緒にいてもいいことはない。私にとっても、彼にとっても。
街を歩いているときは現実逃避してしまっていたけれど、目を閉じて手を合わせていたら引き戻された。まるで母に、ちゃんと考えろと言われているみたい。
私はゆっくり目を開き、とても勝手ながらたった今決めたことを、彼に伝える。
「ねぇ、尚くん。すっごく申し訳ないんだけど……今夜の花火、別の人と見てきてもいいかな?」
一瞬、彼は驚きと困惑が混ざった表情を見せた。それが徐々に強張って、怪訝そうに問いかける。
「別の人?」
「うん……瑠莉と。なにかあったみたいで、花火を見がてら私に相談したいって、さっきメッセージが来たの」
これはもちろんデタラメだ。いつもだったら嘘なんかつけないのに、なぜか今はすらすら出てくる。あとで瑠莉に謝らなきゃ。
でも、彼の目をしっかり見ることはできない。
「せっかく約束してくれてたのに、本当にごめん」
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、深く頭を下げた。
きっと今は、一緒にいてもいいことはない。私にとっても、彼にとっても。
街を歩いているときは現実逃避してしまっていたけれど、目を閉じて手を合わせていたら引き戻された。まるで母に、ちゃんと考えろと言われているみたい。
私はゆっくり目を開き、とても勝手ながらたった今決めたことを、彼に伝える。
「ねぇ、尚くん。すっごく申し訳ないんだけど……今夜の花火、別の人と見てきてもいいかな?」
一瞬、彼は驚きと困惑が混ざった表情を見せた。それが徐々に強張って、怪訝そうに問いかける。
「別の人?」
「うん……瑠莉と。なにかあったみたいで、花火を見がてら私に相談したいって、さっきメッセージが来たの」
これはもちろんデタラメだ。いつもだったら嘘なんかつけないのに、なぜか今はすらすら出てくる。あとで瑠莉に謝らなきゃ。
でも、彼の目をしっかり見ることはできない。
「せっかく約束してくれてたのに、本当にごめん」
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、深く頭を下げた。



