おら達は気が付いたら仲直りをしていた。


丸々のお墓を建てて、おらはケンに謝った。



『ケン、ごめんな』



『おらも悪かったよ』



おら達は小さな喧嘩は何度もしたけど、必ず仲直りをするようになった。



そんなある日、ケンは慌てた様子で飛んできた。


『松おじさんが…』



松おじさんは大嫌いだった。いつもお酒臭くて、意地悪ばかりするから。


だけど、丸々が死んでから松おじさんには会ってなかった。


まさか、あんなにも苦しんでるなんて思わなかったんだ。


『松おじさん!?』



『…カン太郎…すまねぇ…』


松おじさんはお酒臭くて、近寄るのを躊躇してしまった。


丸々を殺してしまったのを責めているのか、肩を震わせながら小さく言うんだ。


『カン太郎…すまねぇなぁ…』



そういって泣いてるみたいだった。


おらは松おじさんを抱き締めて言った。



『おじさんのせいじゃなか。丸々はお祭りでおじさんの後ろで楽しそうにしとった!丸々が死んだのはおじさんのせいじゃなかよ』



『…カン太郎は…優しいんだな…本当にすまねぇ事しちまったなぁ…』


おらはこの一週間でどれだけ泣いただろう。


丸々が死んだ事が悲しくて泣きはしたけど、誰かを責めたいとは思わんかった。

責めたって謝ったっておらの気が晴れたって、丸々は帰ってはこない。


死ぬという事はそういう事なんだ。