火事の夢だった。


周りは焼けていて、逃げるおらは丸々を抱えていた。
記憶は曖昧だけど、その時、逃げなきゃと思ったんだ。

丸々をちょっとその場に置いて消火の手伝いをするか、丸々を抱えたまま離さないべきか迷っていた。


おらは丸々を離さない事に決めた。


犬はすぐどこそこ走って行ってしまうから、どこかに逃げてしまわないように強く抱き締めて離さないと決めたんだ。


夢って不思議だ。


その夢を忘れかけた頃だ。


丸々はおらの手から離れてしまった。