寂しいと返事をしたら、どうなるのだろう。
「寂しい、かも」
そう思ったときにはもう口から出ていた。彼の方を向くことが出来ない。
「俺が埋めてあげよっか?」
その言葉のチョイスが気に入った。穴を埋める。心の底にある穴は深くて暗くて大きいけれど、どうかな。
「君に埋められる?」
やっと顔が見られた。彼は少しはにかんで笑み、それからマスターを呼んだ。バーのBGMが脳内に流れ込んできて、自分がとても緊張していたことを思い知る。
知らないうちにチェックが終わって、店の外にいた。
あとはお察しの通り、だ。
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