昼食をとる犬飼に近付くと、ぱっと顔を見上げられた。
「……なんか隈酷くないですか?」
「色々考えてたら眠れなくて」
「例の彼?」
「22だった」
「……ん? 22? 足のサイズですか?」
「歳」
携帯を一度置き、犬飼は指折り数える。きっと高校卒業から何年経ったか数えているのだ。
え、と三度ほど数えた後に、再度こちらを見た。
「社会人なんですよね?」
「学生だった」
「おあ」
「しかも彼女らしき人と歩いてるの見た」
「うえ」
謎の感嘆詞を漏らし、目をパチクリさせる。
あたしは椅子に座って、顔を覆う。



