王女にツバメ


面倒くさい女になっている。こんな年下から心配されて。

「……ちょっと、疲れちゃって」

結婚とか。
上司が投げてくる仕事とか。
恋愛感情とか。
歳とか。

「仕事?」
「……うん」
「今日はやめとく?」
「ん、そうする」

ああ、そうだ。最初からそうすれば良かった。

一緒にいるから、こんなに辛くて痛くて切ない。

目元から腕を外して、起き上がる。

「……帰る?」

自分で髪を拭いた琉生に尋ねると、きょとんとした顔をされた。帰るのならタクシー代を出そうと思ったから。

「そんな、寝らんないから帰りますって。俺デリヘルじゃないから」