王女にツバメ


それを止めて、同時にカレーを煮込んでいた火を消す。

「一人で住むには広くない?」
「まあ、そうかも。払えるくらいには稼いでるけど」
「俺、半分出した方が良い? てか出したいんだけど」
「……え? なんで?」
「入り浸ってるし」
「何言ってるの、早くご飯食べよ」

正直びっくりした。何で急に渡す側と渡される側が変わろうとしているんだ。

カレーを盛ると、琉生はころりと表情をかえて、スプーンを用意し出す。

元彼と住んでいた部屋なので、確かに一人暮らしには広い。相手のものを処分したらその分また広くなった。