植物園に行く二人を想像する。 「行かないよ」 と、言ったのに。 ひらひらと目の前でチケットが振られている。 その奥で笑顔。 「違う人と行きなよ」 「そんな、裏葉さんと行くために取ったのに」 「行かないって言ったでしょう……」 と、言ったのに。 入場ゲートをくぐって中に入ると、ガラス張りになったハウスの中に地方ごとの特徴ある植物たちが植わっていた。 斜め前を歩く琉生が目を輝かせながらそれを見ている。植物好きなのか。