「だってアラサーからしたら二十代前半なんてまだ子供だよ?」
「ちなみに、ストライクゾーンってどれくらいなんですか?」
そうだ、この子、音ゲーしながらあたしと話しながらパンも食べていたんだった。
もぐもぐと食べる口も動かしながら、一度手を止めた。
「上なら10離れてても気にしないけど」
「広いですね」
「下は2つとか?」
「せっま」
「だって5離れてるだけで新卒と同じだよ?」
犬飼はパンを食べ終えて、イヤホンも外した。今日のノルマは達成したのか。
回転椅子ごとこちらに向ける。
私の手を取った。
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