未完成のラブレター。 【完】





翌日、いつもの様にきょーくんと一緒に学校へと向かう。


いつもと変わらない朝。
だけど昨日の真帆ちゃんとの事があってか、きょーくんを見ると心がザワザワする。




「梅?具合悪い?」

「え・・・?」

「元気ないし、ボーっとしてる」

「っ、ごめん」



きょーくんにそう言われて初めて、きょーくんの言葉が耳に入っていなかった事に気が付いた。




「大丈夫か?」

「うん。何か・・・眠くって!だから心配しないで」

「夜更かししたのか?」

「うん!夜面白いテレビやっててさ、つい最後まで見ちゃって」



きょーくんに心配かけないようにとヘラッと笑えば「気を付けろよ」とポンと頭を撫でられた。



いくら幼なじみといったって、こんな風に触れられたら嬉しくないはずがない。

小さな頃から一緒にいたといったって、慣れないはずがない。



幼なじみだけど、好きな人だから。


ドキドキしないはずがない。



だけどきょーくんに撫でられるとどこか安心するのも事実で、ドキドキと心地良さを感じるその仕草が私は大好きなんだ。