「一目見た時からかっこいいなって思ってたし、好きなのかな?って思ったりしてたんだけど、今日話してみてもうやられちゃったというか⋯本気で好きだって思ったの」
「⋯⋯」
「小梅ちゃんは先輩と幼なじみだしこういう事言うの恥ずかしかったんだけど私と友達だし知っておいて欲しかったから⋯」
「⋯⋯」
「⋯小梅ちゃん?」
真帆ちゃんの声が、まるで水の中にいるみたいにボヤけて聞こえる。
そうなのかなって思ってたけど。
真帆ちゃんと初めて話した時に「片山先輩と付き合ってるの?」と聞かれた時点で覚悟してた事だけど。
だけどやっぱり覚悟なんて出来ていなかったんだと、速いリズムで動く鼓動に、噛み締めた唇に、震える手に、熱い目頭に、思い知る。
「真帆ちゃん⋯」
僅かに震える声。バレないようにしなくちゃいけない。
「全然気づかなかったよ⋯」
ヘラヘラと笑うフリをしないといけない。



