「ほら、君も貸して」

「えっ⋯!」


きょーくんは真帆ちゃんの分の資料も私と同じだけ受け取る。



「わ、私の分はいいですよ⋯!申し訳ないです⋯!」

「そういう訳にはいかないでしょ」


慌てる真帆ちゃんにまるで王子様のような笑顔を見せたきょーくん。


「⋯っ!」


その瞬間、真帆ちゃんの顔が真っ赤に染まった。







──────────ドクンッ、と心臓が嫌な音を立てた。