未完成のラブレター。 【完】






「今日も朝からラブラブ登校してきたでしょ」

「ら、ラブ、ラブ?」



学校につききょーくん別れて教室の自分の席に座るとサラサラな黒髪を靡かせた千紗が振り返りながら言った。




「ほんっとに、仲良いよね。片山先輩と」

「幼なじみだからね」

「にしてもよ。毎日一緒に登下校してさ。この学校の全女子の憧れの的じゃない」



綺麗な顔を悪戯っ子の様にして肘で小突いてくる千紗。

そんな千紗は体だけをこっちに向けていた体勢から椅子ごとこっちに向けてそのまま長い足を組んだ。





「でもさ、本当に仲良いと思うよ?私の中学の友達にも幼なじみがいる子が居たんだけどね、中学に上がってから段々話さなくなったって言ってたし」

「そうなの?」

「うん。グループ同士で遊んだりはするけど二人きりで遊ぶとかないって言ってた。だから小梅達は仲良いなーって」

「へぇ⋯」

「思春期って男女のあれこれに敏感じゃん?」




私の幼なじみの概念はきょーくんが全てだから他の人がどうとか考えたことなかったけど、段々と疎遠になっていく関係もあるのかと、この時初めて知った。


それと同時に、私ときょーくんが子どもの頃から変わらない関係性でいられるのは私がきょーくんを好きだからで、きょーくんは私に興味がないからなんだと自分で思ってヘコんだ。