きょーくん普段鋭いのに自分に対する好意にはとことん鈍感だから私の気持ちはバレていない。
つまり、私がまさか「好き」と口走ってしまいそうだったなんて想像していないだろう。
だから上手く誤魔化せば大丈夫なはず。
テンパる頭の中で僅かに残っていた冷静さを掻き集めてゆっくりと深呼吸をする。
「⋯⋯きょーくんの事、す、すっごく頼りにしてるから⋯さ、ぁ⋯だから!きょーくんと一緒の委員だったら楽しいだろうし安心だろうなぁって⋯思った、の⋯さ⋯」
なんだから語尾が変な感じになってしまったけど上手く⋯誤魔化せた⋯はずだと思いたい。
「だから、きょーくんと同じ委員になりたかったなって⋯ね」
「なんだそれ」
ほら、きょーくんも笑って⋯⋯、
「⋯きょーくん?」
「どうした?」
「⋯⋯ううん、何でもない」
「そ?」
⋯⋯なんだろう、今の。



