「やっぱり小梅は告白しないの?」



千紗が言う。




「昨日も一緒に帰ったんでしょ?」

「⋯帰ったけど、それは幼なじみだからだし」

「⋯」

「きょーくんは私の事なんて妹みたいにしか思ってないよ⋯」




きょーくんの一番がいい。

けど、この関係を崩したくもない。




「小梅と片山先輩が付き合ったら美男美女でお似合いよ?」

「きょーくんはそうだけど⋯、⋯千紗の美的感覚ってちょっとズレてるよね」

「そんな事ないわよ」

「ある」

「ない」




入学数日目にしてすっかり慣れてしまったこのやりとりに二人して笑った。