「ねぇねぇ、きょーくんっ!」

「ん?」

「今度一緒に遠くに出掛けようよ」

「遠くに?」

「うん!」

「分かった。行こう」

「やったぁ⋯!」


そう言ってはしゃぐ小梅が愛おしくて仕方ないといった恭也の表情はとても柔らかくなる。

そしてそれを見てまた、小梅が微笑む。


それは小さい頃から変わらない2人の光景。




恭也がギュッと手を握り直せば瞬く間に頬を染めて俯く小梅。

その仕草さえ、可愛らしくて仕方がない。