「ごめん、梅に先に言わせて。情けないよな」
「⋯きょーくん、」
「でも言わせて。俺も梅が好き。ずっとずっと好きだった」
緩まった腕から少しだけ身体を離してきょーくんを見上げる。
顔が赤く見えるのは夕日のせいか。
「きょー、くん⋯」
「ん?」
「本当に⋯?本当に私のことっ⋯」
さっき止まったばかりだというのにまた涙が溢れ出してそれをきょーくんが指で拭ってくれた。
きょーくんが嘘を吐いているとかそうい事じゃなくて、現実だと分かっていてもにわかには信じられないんだ。
だってきょーくんはずっと私の事恋愛対象として見ていないと確信していたから。
それにきょーくんには真帆ちゃんがいる。
チクリと痛む胸を抑えて聞いた。



